真に男女差別をなくすためには

 少し前に森元オリンピック組織委員会会長の、いわゆる「女性蔑視発言」が話題になりました。
 実はその時の様子を見て、私は「森氏の女性差別発言を執拗に批判しているマスコミ界こそ、旧態依然とした<男性優位社会>のままなのではないのか? 」という矛盾を感じていました。

 そんなことを思っていたら、本日マスコミ界の男性優位の実態を指摘したWEB記事を見つけました。少し前の記事ですがリンクします。記事はコチラです☟

森会長を批判しているけど… マスコミも、女性が少なすぎませんか?



 特に最初の具体的な数字に注目してください。
 マスコミ業界はもともと女性社員の割合が少ないだけでなく、管理職の女性比率は全体比率よりもさらに少ないことがわかると思います。
 これでは「じゃあ、マスコミの皆さんはどうなんだ! 」と言われれば反論できないのではないでしょうか?
 
少し前に筆者のブログで、女性アナウンサー転職の話題を取り上げたことがありました。
 過去記事はコチラです☟

見た目華やかな女子アナの裏事情


記事後半の「財務事務次官による女性記者へのセクハラ発言問題」でのテレビ局のあいまいな対応からも、マスコミ業界が「男性優位社会」であることが透けて見えてきます。

 では、組織委員会でも言われた「女性の管理職・理事・委員などの構成比率を高める」ことが、男女平等の実現につながるのでしょうか?
 実はこのやり方は、本質的な男女格差の是正につながらない恐れがあるのです。

 根本的な問題は日本全体の女性労働人口自体が少ない(特に小さな子供を持つ女性)ことです。
 例えば正社員の女性比率が30%の会社で、男女平等とばかり管理職の50%を女性にした場合、元の絶対数が不足していますから、能力意欲に欠ける女性まで登用しなければならなくなります。

 これは仕事のできる優秀な女性からすると、納得しかねることかもしれません。
「あんな管理職の器でない女性と同じに思われたくない!」「女性優遇制度(お情け)で登用されたと思われたくない!」
と不満を抱く恐れもあります。

 それでは真に男女平等の社会を実現するためにはどうしたらよいのでしょうか?
 私は次のことを最優先に行うべきと考えます。
 
① 同一職務同一賃金(性別、正規・非正規にかかわらず)の達成
➁ 勤務体系の多様化(フレックス勤務、在宅勤務、選択日勤務、時短勤務等、自由な選択)
③ 子育て等で一時退職後の復職と待遇の保障(退職時の役職・給与を100%保障)
④ 産休・育休期間を公務員並みに長期保障

 これらが完全実施できれば、保育園などハード面の拡充もほとんど必要なくなります。
 こうして子供をもつ女性がほぼ制約を受けることなく働ける環境が整えば、あとは女性自身の自由な選択になります。
 子育てや家事を必ず女性がする必要はありませんが、就業上の制約がなくなったとしても、子供が小さなうちは仕事よりも子育てに集中したいと考える女性が一定割合いることも事実です。
 ですから就業上の男女差がなくなったとしても、日本全体としては男性がやや多い就業比率になる可能性はあります。また業種によっては男性が多い会社(現業、建設業等)や、女性が多い会社(美容系等)が存在するのも事実です。

 ここで最初の話につなげますと、「女性の管理職・理事の割合を闇雲に決める」のではなく、「全従業員男女比率と同じ割合の管理職比率を定める」 のが真の平等だということです。
 例えば、会社の男女比が男60%、女性40%だったとしたら、女性の管理職比率は40%が目安となりますが、実際能力に偏りがある場合もありますので、30~50%など、幅を持たせることは必要でしょう。

 いずれにしましても、真の男女平等社会を実現するためには、小手先で数字目標(ノルマ)を決めるのではなく、まず男女格差を生む根底にある労働条件から改革し、女性が子育てや家事にとらわれず 男性と全く同じ条件で働ける環境を整え、女性の労働人口を増やしたうえで、女性の管理職・理事割合を適正かつ柔軟に配分していくべきではないでしょうか?

プロフィール

わだしん

Author:わだしん
和田慎市です。公立高校退職後、私立高校で講師をしています。教鞭をとるかたわら、教師人生で学んだノウハウを多くの方に活かしてもらおうと、執筆・講演活動を行っています。H29年末に第三作「いじめの正体」(共栄書房)を出版しました。最近はアゴラ‐言論プラットフォーム‐に時々投稿しています。ご意見・情報交換はこちらへお願いします。なお、詳しいプロフィールはこちらから。

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