コロナ禍の大学入試、ぜひ柔軟な対応を!

 コロナ感染が一向に収まる気配を見せない中、新しく実施される大学共通テストをはじめ、全国の大学入試(一般入試)が刻一刻と迫っています。
 以前ブログで、私は大学共通テスト実施に当たって危惧している点を書いたことがありました。
 すみませんが、その記事を再度リンクさせていただきます。☟

大学入学共通テストの新型コロナ感染対策に思うこと



 つまり、数十万人もが受験する大学入試ともなると、コロナ感染者が一人もでない可能性は極めて低く、しかも無症状者が多い新型コロナは、悪気はなくとも入試関連で知らず知らずのうちに感染を広げてしまうリスクがあるから、その対策をあらかじめしておいたほうがよいということです。

 そんな心配をしていましたら、案の定と言ってよいのかどうかわかりませんが、大学入試の正常な実施を危ぶむWEB記事が本日掲載されていたのでリンクします。
 記事はコチラです☟

迫る各大学の入試 感染さらに拡大なら中止もありうる?



 やはり私の危惧していたように、国公立大の2次(大学個別)試験、私大試験が実施できるのかどうか関係者の間で不安が広がり、大学も対策に追われているようです。

 一高校講師として大学の運営に直接口をはさむような物言いはしませんが、少なくとも文科省、教育委員会、大学、高校等の関係者全体で、全国の大学入試のコロナ対応のコンセンサスをきちんと図っておくべきではないでしょうか?
 なぜならば、大学入試は受験生にとって1年に1度だけの機会であって一生を左右するものであり、目指す大学に受験する機会すら与えられないようなことがあってはならないからです。

 ですから、今やっているようなコロナ感染防止対策を万全にすることはもちろん大事ですが、それだけでなく、受験生や試験関係者にコロナ感染が発生したことを想定し、生徒の受験・入学機会をどのように確保するのか、しっかり決めておく必要があると思うのです。

 私のざっくりとした素案を示しますと、
ア.受験生に限って現在のコロナ感染対策の基準を緩める(和田のブログで提示した案)→
  原則発症者以外は受験を認める(感染したが無症状者は別室受験、濃厚接触者について追跡やPCR検査はしない)
(*これまで何度も述べているように、新型コロナを指定感染症2類→5類に格下げすれば、インフルエンザと同じとなり対応しやすく、特別に受験生だけ緩める必要はなくなりますが、今の政府の動きを見ると短期間では難しそうです)
イ.世間のコロナ感染対策基準からは緩められないなら、大学入試制度を簡略化する
 例えば、 試験は大学共通テストのみとし2次試験は実施しない、共通テストを利用しない私大は調査書(評定等)・個別面接(リモートも検討)・課題(自分にしか書けない志望理由書や過去の経歴など)提出等で合否を判断する

 私が特に危惧しているのは、各大学に対応を任せてしまった時、コロナ感染の状況により、大学ごとに入試の方法、実施の有無が異なり、受験生の不公平感が大きくなってしまうことです。
 ですから、あらかじめ統一した基準で対応するのがよいと思うのですが、どうしても独自の入試を実施したい難関校などもありそうです。もし一定程度大学ごとの裁量を認める場合でも、クラスター発生等で一般入試ができなくなった場合など、受験生の入学機会そのものが奪われないような代替案を事前にしっかり決めておくべきではないでしょうか?

 繰り返して言います。大学受験は受験生にとって一年に一度だけの一生を左右する問題です。何としても大学の受験・入学機会がなくならない”転ばぬ先の杖”の対策をぜひお願いしたいと思います。

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プロフィール

わだしん

Author:わだしん
和田慎市です。公立高校退職後私立高校講師を務め、令和5年度から静岡県公立高校で非常勤講師をしています。教鞭をとるかたわら、教師人生で学んだノウハウを多くの方に活かしてもらおうと、執筆・講演活動を行っています。昨年9月5日に新刊(第5作)「弱みを強みに変える魔法のフレーズ99」(アメージング出版)を出版しました。最近はアゴラ‐言論プラットフォーム‐に時々投稿しています。ご意見・情報交換はこちらへお願いします。なお、詳しいプロフィールはこちらから。

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